欠員2

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──あのヒトが……先生の知り合いだったんだ。






「上手く言えないんだけどさ、わたしがここに来た意味が……他にもあるような気がしたんだよ」


どうしても行かなきゃって、本能で感じるんだ。


「なまえちゃん心配しすぎ。オマケにお堅いときたもんだ。でもさ、そんな風に思ってくれてんの、何か嬉しいぜ?」


欠片でいい。この世界でみんなと旅するだけの繋がりが欲しい。身勝手な理由で来ちゃったけど、それがここに在る様な気がするんだ。



「話しすぎたかな。霧が濃くなってきたし急ごっか……って……悟浄?」


話し終えて立ち上がったわたしの前には深い霧が立ち込めていて、さっきまで居たはずの悟浄の姿を覆い隠していた。



『なまえちゃん?全然見えないけど大丈夫?』


聞こえる声は朧気だが、悟浄はすぐ近くに居る様で安心するも、急に濃くなったこの霧に不安を煽られる。



「悟浄、とりあえず上に行こう。あ、でも恐いから歌いながらでお願い!」

『はっ?何そ……って……の……』

「ちょっと悟浄!もっとでかい声で喋ってよ!」


しかし悟浄の声は遠退いていき、次第に聞き取ることも出来なくなってしまった。


『……っ……から……』


ちょ、聞こえないよ。ハグれた……?



目を凝らして霧の中を見つめても、辛うじて階段が一段見えるだけ。

きっと罠なんだろう。悟浄と合流するまで生きてられんの?わたし。



「……って他力本願もいいとこだな」



自嘲の笑みが零れたわたしは、震えてるのは武者震いだと言い聞かせ、一段、また一段と階段を踏みしめて行くと、突然目の前の霧が真っ黒な影を映し出した。


「なっ……!?」



飛行機が雲を突き抜ける様に、沢山のそれは人の形をしてわたしの前を立ち塞ぎ、あの胸糞悪い目でわたしを見下ろしていた。



ゆらゆらと雲の上を歩いてるかの様で、きっと踏み外したら真っ逆さまだ。




──おじさん、またわたしを突き放すの?

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