欠員2
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──あぁ、誰か遊びに来たね。
「なー、聞いていい?」
「何……?おんぶしてこの階段を上ってくれんなら喜んで答える」
目の前には、本当に天まで届くんじゃないかって程果てしない石階段。
「ちゅーしてくれんならイイけど?」
「ごめん、マジしんどいから相手できないわ」
「なまえちゃん、ひでーよ。……でもよ、そんなんしてまで会う必要あんの?俺に任せとけばいくない?」
……ま、休憩ついでに話してもいっか。卑屈に歪んだバカなわたしの話。
「わたしさぁ、ずっと仲間になりたかったんだよ」
そう言って立ち止まって煙草に火をつけると悟浄は目を見開いた。
「おいおい、今更冗談だろ?」
冗談だろうと、悟浄が口にしてくれた事が嬉しかったけど、わたしは自分の口から、仲間だと胸を張っては言えなかった。
「はっきり言ってさ、わたしが桃源郷の異変の為にーとか言っても説得力無いでしょ?」
昔の生活から抜け出せた。それで満足だった。だけどそれは何か違う。みんな命懸けで旅してんのに、お気楽なわたしは何の為にここに居んの?
抜け出すという願いが叶ったなら置いてってもらえばいいけど、それも何か違う……。そう思い始めた時、金閣があのネックレスを持ってたんだ。
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