壊したいんだ

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「──オイ!あれ……」


悟浄が洞窟の入り口に目をやると、水を取りに行ったきりだった悟空の姿。


「あーいたいた!置いてかれたと思ったぜー!」

"バカ猿"と笑顔で走り寄ってくる悟空を小突く悟浄。


「水取りに行ったはいーけど迷っちゃってよぉー」


そんな悟空に近寄り無事を確認する八戒。



「よかったぁ……。あんま心配かけないでください」

「うん、ゴメン」



それを冷ややかに見つめる三蔵は悟空に訊ねる。


「ジープはどうした?」

「え?いや俺知らねぇけど。霧が明けたらジープも戻ってくるだろ」


悟空は軽快な口調で答えるが、三蔵は更に悟空に訊ねる。その顔は無表情で冷たい。

八戒と悟浄も同じ顔をしている。


「なまえはどうした?」

「あ、さっきトイレに行くって走って行ったぜ?」

「……悟空」


三蔵の呼び掛けに悟空が振り向いた瞬間、三蔵は悟空の目の前に銃口を向けた。


「え?な……」

「お前じゃない。俺が呼んだのはあのバカ猿だ」


悟空は三蔵の気迫にたまらず息をのむが、すぐに三蔵の誤解を解こうとする。


「ジョーダンやめろって。俺だよ三蔵!」


三蔵の目が一層冷たくなる。そしてその声色も。


「もうひとつ付け足す。気安く俺の名を呼んでいいのも──あのバカ猿だけだ」


──ガウン!


倒れた悟空は悟空ではなく、人形に形を変え、更にはそれが麻雀牌に変わっていた。


「……出てこいよ清一色。三蔵様はかなりご立腹だぜェ?」


──カッコいいなぁ。見くびってましたよ貴方達を。



洞窟の岩の上、そこに腰掛けるようにして現れるは、あの忌まわしき────清一色。



「ごきげんよう」



──ガウンッ!


三蔵から放たれた銃弾は清一色の座っている真横にめり込んだ。


「───悟空となまえはどこだ。次は当てるぞ」


「さてどうしたと思います?この霧の中を彷徨い歩いているか、あるいは予想を裏切ってその辺りで───朽ち果ててるかもしれませんねぇ」

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