見くびるんじゃねぇよ

(2/7)
───ガウンッ!


「は、な、せー!」


コイツの手を必死で振り解こうと発砲するが、わたしはいつの間にか何処かも解らない木に押し付けられていた。


「教えてあげましょうか?」


清一色はわたしの耳を舐めながら薄気味悪い声で囁く。


聞いちゃダメだ。これはコイツの罠なんだ。


「煩い……」

「ククッ。じゃあ貴方が黙ってくれますか?」


わたしの言葉を踏み潰すようなコイツが心底むかつく。コイツの狙いは八戒のはずなのに、わたしに何の関係があるって言うんだ?


「アンタ、何がしたいの?」


睨み付けたわたしを見てそいつは笑った。真っ赤な舌を出して笑った。

それと同時に腹部に拳がめり込められ、わたしからはくぐもった声が漏れる。


「貴方の事なんて本当はどうでもいいんです。ただ、貴方が我の手に堕ちて死んでくれさえすれば満足なんですよ」


そう言って清一色はわたしの首に手をかけ徐々に力を込め始めた。



「彼も喜ぶと思うんです。貴方が死んでくれるとね」



グチュ──。


首にかけた手を緩める事無く、清一色は至近距離で麻雀牌をわたしに撃ち込んだ。そしてそれは以前と同じ場所を貫通していく。


「うっ……っ……」

「そのまま彼の所まで行って、目の前で死んであげて下さい。きっと─────彼も喜びますから」

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