見くびるんじゃねぇよ
(3/7)
肩口がまた熱を持ち、左腕の感覚が失われていく。そして清一色はわたしの首を離すと姿を消した。
溢れ出る血液が尋常じゃない。
ヤバい、これじゃあ八戒に会う前に死ぬって。
わたしはハンカチで肩口をきつく縛るが、それはすぐさま真っ赤に染まる。
これはきっと、わたしの怒りの色だ。
アイツはわたしを挑発してるんじゃない。わたしを使って八戒を挑発してるんだ。
わたしの過去をちらつかせればわたしが堕ちるとでも思った?このまま八戒の目の前で死んでくれって?
ふざけないでよ。陰険なんだよ。そこまでして八戒を壊したいの?
わたしは八戒の所を目指して歩き出した。何処に居るかなんて見当もつかないけど、八戒の所に行かなくちゃいけないんだ。
八戒の目の前で死ぬ為じゃない。八戒を見くびってるアイツを八戒と嗤ってやる為に。
木々を支えに、霧の晴れた方へただひたすら先を急いだ。それでも踏み出す度に走る激痛に意識が朦朧としてくる。
ダメだ……。
アイツを嗤ってやるまで……。
足がもつれて絡まって、倒れたわたしは意識が次第に薄れていった。
.
91/180←|→
List|Top|Main