Good Night

(2/7)
翌朝、目が覚めると隣になまえは居なかった。
あいつの変わりに俺が寝てしまうとは格好悪いったらありゃしねぇ。


煙草に火をつけ一吸いし、それから自分の部屋へ戻ると、八戒となまえが話し込んでいたのが気になった。



「あ、三蔵、お早うございます」


「……お早う、三蔵」



そして嫌味な程清々しい八戒と、妙によそよそしいなまえに釈然としない。



「あの二人はまだか?」


「悟空と悟浄ならさっき起こしに行ったので、直に来ますよ」


「……そうか」



きっと睡眠時間が足りなかっただけだ。

そう適当に理由をつけて納得した振りをして新聞を広げるが、やはりなまえが気になってしまう。




頭では解っているつもりでも、気持ちは焦る様になまえへと向かい、危険な旅の途中だと言うのに心になまえの入り込む隙間を作ってしまっている自分がいる。



それは騒がしい朝食が終わっても変わらず、そのせいかいつもの悟浄の減らず口に苛立った。



「食べ終わったなら出発するぞ。さっさと準備しやがれクソ河童」



「今日の三蔵様は一段とご機嫌ななめなのね。じゃなまえちゃん行こっか」


「あっ、置いてくなよー!」



……チッ、ハリセンすらかます気が失せる。



ふーっと息を吐き、やっと静かになったと思えば八戒だ。



「三蔵も早くして下さいね」



なまえは何を話し込んでいたんだと、疑いたくなる様な口ぶりの八戒。




──煩ぇんだよ。
支度ならとっくに出来てんだよ。
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