やがて、朝

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三蔵の未だかつて無い行動に、ただでさえ口から心臓が飛び出しそうなのに、その口は三蔵の唇によって塞がれる。



息が出来ない苦しさと、またそれとは別の苦しさに襲われながらも、まるでその苦しさの正体を探る様に唇を重ねた。



「三……蔵……」



僅かに離れたなまえの唇から言葉が洩れると、三蔵は伏せた目を開きなまえを見つめ呟く。



「お前はそうやって俺の名だけを呼んでいればいい」


「それって……」


「さっさと気付け。前にもそう言ったはずだ」



今までこんなにも真っ直ぐに見据えられた事があっただろうか。

有無を言わせない様な空気なのに、まるでなまえの答えを見透かし待っているかの様で、聴こえる互いの息遣いに冷静さを掻き乱され、なまえは言葉さえ忘れてしまった。


三蔵はそんななまえの真上から金糸を垂らし言葉を漏らす。


「考えただけでゾッとする……」



自らの、なんとも身勝手な思いを吐き捨てるように、そう呟いては目を伏せた。


外は風が出てきたのか、時折窓がカタカタと揺れ、なんだかその音だけが現実味を帯びているように思えて仕方なかった。
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