やがて、朝

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我ながら随分と回りくどい事をしてると思う。

お前という存在を知っているのにもかかわらず、お前の答えを探るばかりだ。


知らねぇのは解っている。それでもお前の中にあるものを手繰り寄せたいんだ。


「俺の隣で寝れねぇなら一生寝るな」


「三……蔵……」



お前が他のヤツの隣で眠る姿なんざ想像したくもねぇ。
だからと言って、こいつが俺の隣で眠れるなんて確証はねぇ。


ただ、俺が我慢出来ないだけなんだ。



「何故振り払わねぇ?何故拒まねぇ?その気になりゃ枕元の銃だって向けられるだろうが」


「……出来ない」


「だから何故だと聞いているんだ」



悟浄に散々恋だの愛だのには疎いと言われた俺が苛立つ。

身体は男を知っていても、心は何も知らないまま、こいつから、求める事も甘える事をも奪っていった奴らが心底憎い。



「このまま寝ろ」


「……寝れるか馬鹿」



いつかもこんなやり取りをした記憶がある。確かあの夜は、もどかしく思いながらも背を向けた。


その時、両手に残った温もりが鬱陶しくも確かなものを俺の中に残し、唇の熱は冷めやらなかった事は忘れはしない。


絡まっている様で単純な思いの先で、こいつが辿り着くのを今まで待っていたつもりだったが、こいつはここまできても尚、その解き方も知らねぇって事なのか。


拒む事も、受け入れる事も、この俺が教えてやる羽目になるなんてな。
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