麻雀牌が語るもの

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三蔵チーム VS 紅孩児チーム



わたしは今、目の前で繰り広げられている闘いに言葉が出ない。

皆ケタ桁外れに強い。全くもって意味がわからない。


自分がかなりの足手まといだと痛感したが、それも束の間。前方から巨大な蟹が現れたと同時にまたあの鋭い殺気に射抜かれた。



ジュクジュクと疼き出す傷口を押さえ付けて振り向けば、案の定あの清一色が舐める様にわたしを見ている。


そしてその男はわたしの前に降り立ち耳元で囁いた。


「貴女の両親……」


わたしの身体が反応する。瞬きすら出来やしない。


「──誰に殺されたんですか?」



清一色の手には"視"と書かれた牌が乗せられ、その文字はゆっくりと崩れて新たな文字を形成する。


そこに現る文字は─死─




恐怖とか過去の記憶とかがぐちゃぐちゃに巡っていき、頭が狂い壊れそうだ。


「……ふざけ、ないでよ……」


何言ってんの、何で知ってんの。これはなんか仕掛けがあるんだ。聞いちゃだめだ。

徐々に込み上げる憎しみがこいつを睨み付ける力になる。



「その目、いいですねぇ。そうでなくては彼も喜びませんよ」



清一色はわたしの首筋をひと舐めして、鼻先を擦る程にまで顔を近付けてきた。


「精々楽しませて下さいね?」



遠くで轟音が聞こえ、瞳だけを微かに動かせば巨大な蟹が崩れていくのが見えた。

その時にはあいつの姿は消えていて、首筋の生温かい感触と薄気味悪さだけが残っていた。
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