少年と銀閣

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「そんな……ウソだ。確かにやっつけたのに……」


少年がそう呟いて僅かに顔を伏せた時、また首元が光を集めた。



「三蔵、お前無事だったのかよっ!」


「勝手に人を殺すんじゃねぇよ。──あとの二人はどうか解らんがな」




わたしは三蔵と悟浄の会話を聞き、皆の安否も解らないというのに、自分の事に意識を向けてしまった自分に嫌悪する。



それでも"銀閣"と名を呼び続ける少年が気になって仕方がない。



「──おいガキ。何が目的だ?その瓢箪はどこで手に入れた?」



「僕……僕何も悪い事してないっ。僕はただ……!」



そう……言ってくれる人が居たら……、もっと楽に生きれたかもしれない……。


「クソボーズ!ガキに向かって撃つヤツがあるかよっ!」


「離せ、このバカ……!」



子供の心には窮屈で、吐き出せる相手も居ない。

膨れ上がった感情に耐えきれなくなっても、擦り付ける相手も居ないのなら、せめて自分だけでも励ましてあげよう。




"悪くない"



そう言い聞かせて肯定してあげよう。




窓を突き破って出て行った少年を、わたしはただ眺めているだけだった。
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