Past

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なまえを軽蔑する?
冗談じゃねぇ。

生きる為だろうが。


なまえを軽蔑するなら、生きる為に人を殺してきた俺は何だ?


違うな……。


俺が苛立っているのはこんな事じゃねぇ。



何でか解らねぇがなまえが好きでも無ぇ奴に抱かれてきた事が一番俺を苛立たせる。



「突っ立ってねぇでさっさと戻るぞ」



その言葉は、今、三蔵が言える精一杯の優しさだった。


「……いいの?」

「煩ぇ。置いてかれてぇなら別だがな」



なまえはそう言って前を歩く三蔵を追いかけ、袖口を掴み、『ありがとう』と言った。



「……フン」



三蔵となまえが戻ると、三人はいつもの様になまえを迎えた。



それはなまえにとって擽ったく、受け入れられるという喜びを教えてくれるものだった。



「さぁ、明日も早いですから、皆さんゆっくり休みましょう」

「えー、野宿なのにゆっくりなん……」



――スパーンッ!


「猿、木に吊してやろうか?」

「あはっ、あはは」



なまえが笑う。

だから知らぬ間に、みんな笑顔になっていくんだ。

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