Sweet Pain

(2/7)
今日もジープに揺られ、遥か西を目指す三蔵一行。



……眠い。
昼夜逆転未だ健在。



「なまえ眠そうですね?」


ミラー越しに爽やかすぎる笑顔でわたしを見る八戒。



「どうにも夜は寝れなくて」

「じゃあ俺が一緒に寝てあげよっか」


悟浄はわたしの肩に手を回しニヤつく。


眠気のせいでご機嫌斜めなわたしは嫌みたっぷりに言ってやった。


「永眠してみる?」



悟浄は肩に回した手を引っ込め、なまえって冷たい……なんて言っているけど聞こえないふり。


わたしは少しでも眠気を追いやろうと、ガムを噛んでみるが、やっぱり瞼を閉じてしまった。



「なまえ寝ちゃったよ」

「寝付きは最高。寝起きは最悪ってカンジ?」

「…面倒臭ぇから起こすなよ」

「なまえもちゃんと夜に寝れればいいんですけどね」



わたしは深い眠りに落ちる前で、皆の声が聞こえてて。それが何とも心地良く、ゆっくりと眠りに体を預けた。




深い深い真っ暗な部屋で、嫌な光を放つ双眼だけが浮かび上がる。



『死』という恐怖感をチラつかせば、口も聞けない。わたしはただの玩具だ。




「なまえ、着きましたよ?」


八戒の声に呼び覚まされ、掌には嫌な汗が握られていた。



「……大丈夫ですか?」



嫌な夢だった……。
しかしそれを悟られない様に八戒の言葉に頷きジープをおりた。

.
25/180

ListTopMain
>>Index