雨振り

(2/7)
昨日から降り続く雨は未だ止む気配は無く、それと同じ様にわたしの心も厚い雲で覆われていた。


何で涙が止まらないんだろう。


一緒に旅をする様になった時、わたしはこんな口悪冷血男が三蔵法師だなんて……と思っていた。



でもそれは、表立って優しさとか思いやりなんて全然出てこないだけで、その裏にあるモノは解り難い三蔵法師としての説法そのものだった。


それが解ってるから皆も何だかんだでここに居るんだと思う。


そしてそれに気付いた時には、わたしは既に三蔵を好きになっていた。



けど、恋愛なんぞ甘ったるいものに、余所見をしてる暇なんてこの旅には無い。
なのに……。



「三蔵っ!風邪ひくよっ!」


雨は三蔵に容赦なく降りかかり、駆け寄って触れた手は冷たくなっていた。


「……ほっとけ」


そう言って振り払われたわたしの手。まるでわたし自身が振り払われたみたいで苦しくなった。


「そんなに……嫌?」
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