TRACK

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ひらりひらり舞い落ちる雪が肩に止まる。


そっと、指で触れても直ぐに形を変えてしまう様を、お前に喩えてしまうのは悲しいものだ。



「ジェネシス!遅いっ!」

「……済まない」



うっすらと粉雪を纏い、口を尖らせて走り寄るお前に笑みが零れる。


「……遅刻してきた分際で笑うとは何事なの?」


愛しくてどうしようもないのだと、素直に言えない俺にどうやらなまえはご立腹の様だ。


「だから謝っただろう?」


そう言ってなまえの髪に付いた雪を払ってやると、溜め息混じりに歩き出す彼女。


「もう、本当にマイペースなんだから」


俺は構わず、そう言ったなまえの手を取り、積もった雪の上を一歩踏みしめる。彼女の歩幅に合わせ、寄り添うようにゆっくりと。


自然と密着する体に心まで綻ばせ、冷えた彼女の手をこの気持ちで温めてあげよう。


雪はこんなにも降り続いているというのに、なんて暖かい日だ。
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