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「ジェネシスの手、あったかいね」


口に出さなくても解ってくれているのだと、自惚れてしまいそうになる。


「お前のお陰だがな」

「えっ?」


なまえは足を止め、俺の顔を覗き込む。大きな瞳に俺だけを映して。


「可笑しな事は言って無いだろう」


なまえと居るのだから温かくなるのは当然だ。


そう言ってなまえの手を取り、粉雪のアーチを真っ直ぐ潜り抜ける。するとなまえは少しだけ小走りになり、"いつもながらに余裕だね"と空を仰いだ。


お前と出会ってから、余裕なんて言葉は何処かへいってしまったんだ。


暖かければ雪解けも早い。


この寒い日をも暖かく感じる、なまえの温もりは解けないでいてくれるだろうか。
繋いだ手に力を込めると、握りかえしてくる小さな手が、俺は愛しくて仕方無いんだ。



「……なまえ」



不意に名前を呼びたくなった。
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