Tactics

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それから一時間程経った頃、別室で待たされていたラザードと彼等の元へ、静かな怒りを漂わせたなまえがやって来た。


「なまえ!……大丈夫か?」


真っ先に駆け寄るジェネシスに緊張の糸を切られたのか、なまえはそのままうなだれ頷いた。


「……大丈夫。……大丈夫」

「大丈夫とはどういう事だ?」


尚も膝をついたままのなまえは一言。ラザードと二人にして欲しいと告げる。


「みんな、ごめん。私からはどこまで話していいか解らないから……」


泣きそうになるのを堪えてなまえは立ち上がると、その部屋にはラザードだけが残り、ラザードは静かになまえに椅子をすすめた。



「統括……、私……大変な事を言ってしまいました……」








──だったらあなたでは無く、ホランダー博士にして下さい。




一歩も譲る気配の無い宝条に向かい、それならばとなまえは苦肉の策として以前に宝条との権力争いに敗れたホランダーを研究の責任者として指名したのだった。



「君は……なぜその事を?」

「……噂で聞いていたので」



何とも歯切れの悪いなまえからの返答に俯き眉根を寄せたラザードだったが、これはひょっとするかもしれないと顔を上げた。



なまえがホランダーを推薦した事により、宝条は指揮権を譲る事になる。それはこの研究の成果も宝条のものでは無くなるという事だ。


神羅が欲しているのは確かな結果と利益。誰が指揮を執るかはさほど問題では無い。



「まあいい。それにしても君も咄嗟によく考えついたものだな」

「……はい」




なまえは知っている。だからこそホランダーの名前を出したのだ。


例え宝条がこの研究をホランダーに持ち掛けたとしても、ラザードもまた、自分自身の為になまえを手元に置いておきたいのだといという事も……。



CONTINUE...
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