Still
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『ラザードが何故君を手放そうとしないのか。その理由を知りたい』
豪華なディナーも味気無く、ルーファウスからの言葉に頭を悩ませながら部屋へと戻ったなまえは、ほんの一時間ほどの間に疲労感で一杯になり、部屋に着くなりベッドへと身を投げた。
棄却された実験案の再検討をちらつかせ、これは命令だと言い放ったルーファウスに、なまえは何も言えなかった。
ラザードは、今後なまえが自分にとっての切り札になると考え手元に置いているに違いない。
もちろんその経緯はこの世界を知っているなまえも解っていたが、そんなラザードのお陰で宝条の実験から逃れられた訳だし、いわばお互い様だ。
「一難去ってまた一難……。しかも今度の相手はあのルーファウスだし……」
溜め息と共にそう呟き、なまえがベッドの上で寝返りをうつと、ベランダで何かが揺れているのが目に入り、不思議に思ったなまえがゆっくりと身体を起こし目を凝らしてみると、驚いたことにジェネシスがベランダの柵に肘を付き外を眺めていたのだった。
「ジェ、ジェネシス!?」
なまえはそう声を上げたと同時にベッドから飛び起きジェネシスを部屋へと招き入れると、部屋の中には彼特有の香りと冷気が一気に広がる。
「何してんのよ……」
突然のベランダからの訪問者に戸惑いながらも、なまえは彼の浮かない顔が目についた。
「ジェネシス?……どうかした?」
身長差がある為に、なまえが遠慮がちにジェネシスを見上げると、ジェネシスはそのままなまえの顔を自分の胸元へと引き寄せた。
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