No One Knows It
(2/4)
この痛みが"非現実"は"現実"なのだと伝えている。
頭の中を高速で駆け巡る信号が不安を煽り、なまえの胸を締め付けていく。
それに伴い心音が乱雑さを増し上手く言葉が出ないなまえ。
そしてなまえは何よりこれを現実だと受け止められない。
なまえの心拍数が上がっていくと同時に室内が震え出し、三人が近寄った瞬間に蛍光灯が弾け飛ぶ。
「なまえ、落ち着け!」
前のめりになるなまえにアンジールが声をかけるが、弾けた蛍光灯の破片が容赦なくアンジールを襲った。
「くそっ!」
「アンジール!」
セフィロスとジェネシスもなまえに駆け寄り、セフィロスはなまえの体を揺すってみるが治まらない。
「なまえっ!聞こえるかっ?」
なまえはパニックにより呼吸が正常にできず、胸を押さえながらも神羅製の特殊硝子に亀裂を入れてしまう。
「これは気持ちの高ぶりの作用か?」
ジェネシスはそう言いなまえを抱きかかえバスルームに連れて行くと、迷うことなくなまえに冷水を浴びせた。
「ジェネシス?」
セフィロスとアンジールが目を見開き声をあげる中、冷水を浴たなまえがゆっくりと顔を上げる。そこで漸く部屋の揺れも止まったのだ。
「どうだ?落ち着いたか?」
ジェネシスは静かになまえに声をかける。短くしたばかりの髪からは幾つもの雫が滴り落ち、それは涙の様にも見えた。
「流石にそのままでは風邪をひく。熱いシャワーでも浴びた方がいいぞ」
アンジールの言葉に小さく頷いたのを確認した三人はバスルームを後にし、なまえの事について思案し始める。
「やはりあのアクセサリーはマテリアの様だな」
アンジールが口を開くとそれに続きセフィロスが言葉を紡ぐ。
「それは間違い無いな。先程の解析結果では僅かだが魔法能力が認めらると言っていたが、感情の高ぶりでマテリアが発動したのか?」
髪を掻き揚げながらセフィロスの話を聞いていたジェネシスは視線をバスルームに移す。
「しかしマテリアを知ってる素振りも無いのだからマテリアの扱い方も知らないだろう。そもそも何のマテリアかすら解らない」
ジェネシスの言葉に考え込むアンジール。
その沈黙は三人を包み静かに時を刻んで行く中、遠慮がちにバスルームの扉が開いた。
ガチャ―……。
「あのー…」
「どうした?」
ドアの隙間から顔だけ覗かせたなまえにアンジールが返事を返す。
「…着替えが無い」
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