Game Over or Continue

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恐いとか、どうしようとか、そんな事を考える隙すら与えてくれない。


頭の中ではいろんな思考が駆け回っているはずなのに、ジェネシスに見据えられると全てが上手く機能しなくなる。


「あの、ジェネ……」

「聞きたい事が山ほどある」


全てを遮る程の低音にはあの英雄も霞んでしまいそうなくらいの威圧感を感じるけど、僅かに目を伏せた彼に胸が痛んだ。


……痛む?どうして?


視線が外れた瞬間、思考を張り巡らした事を後悔した。しかしそれに飲まれてしまわないように、そっと時を動かした。



「私は話す事なんて無いよ」


ジェネシスの眉がピクリと動く。底冷えするような空気に息が止まりそうで、私の顔に向かって伸ばされたジェネシスの手から目を逸らした。



いっそのこと、叩いてくれれば私の身勝手な言い分も通せたかもしれないのに、私の頬に優しく触れたその手から伝わってくる温もりが、浅はかな私を刺激する。



「あいつと俺は……何が違うんだろうな……」



痛い……。直に心臓を握り潰されてるみたいで……痛い。


「違うよジェネシス。違いなんて無いんだよ」

「では何故奴には抱かれたんだ?」



違うの、同じなの。この世界に居る人はみんな同じ。境界線は"そこ"なの。



「帰るためって……言ったら信じてくれる……?」



何で信じてもらいたいと思ったんだろう。別に嫌われたっていいじゃない。


そう思う自分が居る。だけど今は、違う自分がジェネシスの前で泣いてしまいそう。



お願いだから、帰りたいと逃げ出したいが、同じ方を指し示さないで。

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