Game Over or Continue

(3/5)
「その涙の理由は何だ」


そう言いながら頬に添えられた美しい指が私の涙を拭う。


やり難い。そう感じてしまうのはジェネシスだからだと思う。変則的だけども的確に、触れて欲しくない部分にそっと触れる。きっとジェネシスだから。ジェネシスだから……。


「うっ……ジェネシス……」



ジェネシスの手は私の頬から首の後ろへと回され、ゆっくりとジェネシスに引き寄せられた。


優しくしないで。抱き締めて。相反する思いに千切れそうになって、そして私は思い知る。




この世界に来て初めての夜、柄にもなくホームシックになった夜。ジェネシスに抱き締められて寂しさが薄れた。

沢山の甘いキスをしながら、心地よく眠った夜もあった。

ジェネシスを……、自らジェネシスを受け入れようと思った夜もあった……。



あぁ、地の底が見えそうで怖い。昨日は堕ちまいと必死になれたのに。



「どうしてジェネシスの前では出来ないの!」

「……なまえ?」



募るのは自分への苛立ちだけじゃない。



「も…う……帰りたいよ……」



急ぎ過ぎたせいで未熟なままの私は、帰り道と逃げ道を違えた。



ジェネシスに抱き締められた、この瞬間から……。

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