Actual World
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アンジールと呼ばれる男は眼鏡男に書類を渡し、受け取った眼鏡男はそれに目を通してから溜め息をついた。
「……全く、私を通さずソルジャーを送るとは、博士は何を考えているんだ。……取りあえずメディカルセクション内にて健康状態をチェックしよう。しかし、まずは簡単に君の事を聞いておきたい」
書類から目を離し私を見下ろすこの眼鏡男。
確か、……ラザード統括だ。ソルジャーを管理してる切れ者だったはず。
「まず君の名は……なまえで間違い無いね?」
統括に質問に軽く頷き返した時、私は恐ろしくなった。
ゲームの中の人物に、名前を呼ばれているのだ。目の前で、確かに。
非現実と、未知という恐怖が押し寄せる。
恐い、恐い、恐いっ……。
そう思った時、ピキピキッという音と共に私の周りの硝子にヒビが入り、私は椅子から滑り落ちて膝をついた。
「今のは彼女が?」
「この硝子に亀裂が入るとは……」
「話は一先ず置いておいて、先に彼女を検査しよう」
アンジールは私を支える様に立たせ、ゆっくりと部屋の外へ連れ出し、それに三人も続く。
検査って言ったよね?またあの緑色のヤツ?冗談じゃないんだけど……。
……どうすれば帰れる?
今なら逃げれる……か?
刹那、アンジールに小声で忠告された。
「逃げようなどと馬鹿なマネはしない方がいい。今は大人しくしておいた方が得策だぞ」
どーすんの?
どーすんのよこれっ!
長い廊下を歩きながら、四方を大男に囲まれている事に圧迫感と多少の苛立ちを覚える。
しかし、頭は大分すっきりしてきた。
私の周りに居るのは、アンジール、ジェネシス、セフィロスに統括。
間違い無い。
思いっきり"CRISIS CORE"だ。
……どんなストーリーだったっけ?LOVELESSとか簡単な流れくらいしか覚えてなかったりするんだけどっ。
四人の顔を盗み見ながら歩いていると、ジェネシスが呟いた。
「変わった髪型だな。異世界では流行っているのか?」
「え?」
普通のセミロングが?と不思議に思い髪に手を当てた時、私に激震が走る。
「はぁぁぁっ!何これっ!何でこっち側の髪だけ短くなってんのっ!!」
全体の三分の一。肩より長かった私の髪の左側が、耳の下までしか無くなっている。
私は近くの硝子の窓に走り寄り、映った姿に言葉が出ない。
しかしそれも束の間、セフィロスが刀を抜き一振りし、気付いた時には私の髪が床に散らばっていた。
「騒ぐな。こうすれば気にならんだろう」
何の冗談?何でおかっぱ頭?
「何て事を……髪は女の命じゃー!」
怒りに任せ、無謀にも英雄に掴みかかろうとする私をアンジールが止めに入るが、窓に映る自分が情けなかった。
もう泣きたい。
ありえない。
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