Rainy Day
(6/6)
俺の胸元に顔を埋め震えている小さな身体。彼女は決して間違えている訳ではない。
「ごめんね、カカシ……。もう少しだけ泣かせて……」
「遠慮しないで、思う存分泣きなさい」
両腕に力を込めると彼女から嗚咽が漏れる。それは力を込めた分に比例していき、その様は俺が搾り取っているかのようだ。
だから俺はこのまま力を込め続ける。彼女の体の震えを止めようと、心の底を温めようと、俺はきつく抱きしめ続けるんだ。
劈く雨音の中、今度は俺が彼女の雨避けになる。悲しみが降りしきる彼女の心に傘をさし、それが止むまでこうしていよう。
「カカシ、ありがとう……」
涙で濡れた彼女が呟く。今にも膝を付きそうな弱々しい姿で、俺の胸元を必死に握り締めている彼女を、俺はより一層強く抱きしめる。
「いいんだよ、なまえ」
耳元に唇を近付けてそう言うと、彼女は少しだけ笑顔を見せた。それは少し落ち着きを取り戻したからか、強がっているのかは解らないが、俺を受け入れてくれている事には変わりない。
だから俺は、なんの躊躇いもなく彼女を抱きしめ続けられるんだ。
「本当にごめんね……。もう少し、もう少しだから……」
「大丈夫。いつまでもこうしているから」
止まない雨は無くとも、彼女に降る悲しみの雨は止まない。
それに打たれ続けて冷えていく彼女が、こうして俺の胸で温められるなら、いつまでも、何度でも、俺は彼女の雨避けになるよ。
END
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