Way Out

(9/9)
憎しみしかなかったのに、触れられる度に顔を出す愛情への戸惑いは、許しはしないと閉じた心を開かせる。



世界でただ一人憎しみをぶつけたい人への愛情程、哀れなものは無いでしょう?



瞳を伏せたまま、なまえが途切れ途切れに紡いだ言葉。



「だからこそ……信じられるヨ」



俺を憎んでた君の嘘の笑顔より、その涙の方が何倍も。



強く強く抱き締めて、今までの偽りの日々を追いやってしまいたい。本当の気持ちを隠せるほど、簡単な思いじゃないんだ。



責任なんて欺瞞でしかないのだから、俺は君の憎しみも愛情も全部、俺自身と君をも全部受け止めてみせる。




この気持ちだけは本物なんだと、君と偽りの世界を抜け出して、また初めから君を愛すんだ。



「……カカシが、好きなの……」




少しだけ素直に大人になった俺達は、探してた本物を紡いでいくんだ。




「俺もだヨ……」



だから俺は、ありったけの愛を込めて君を抱き締めるヨ。


FIN
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