抱き締めて
(2/4)
久しぶりの休日。
俺は日頃の疲れのせいもあり、目を覚ますともう昼過ぎだった。窓から差し込む日の光は高さを増し、その清々しさは俺に暗い影を落とす。
俺はまだ完全に覚醒しないまま、ふとテーブル横に目をやれば、無残にも粉々になったカップが嫌でも目に付く。
なまえは本気じゃなかったの?
割れたカップが目に付く度に苛立ちが募る。
でもそれはカップだけにじゃない。俺と色違いのなまえのスリッパも、なまえのクッションも、鏡の前に並べられた歯ブラシも。
何でなんだろう。
まるでこうなる事を最初から受け入れていたかの様だ。俺が納得出来るように説明してヨ。
昨晩、その答えも聞けぬまま、なまえは静かに俺の部屋を出て行った。俺はなまえに対する寂しさとやり切れなさを、この色違いのカップに叩きつけた。
粉々になったのはカップだけじゃない。
昨夜の事を思い出し、居ても立ってもいられなくなった俺は、そのまま家を飛び出し、なまえをただひたすら探した。
いい加減うんざりだ。
俺が嫌いならはっきり言えばいい。
聞いた所で俺の気持ちは変わらない。それをなまえに解って欲しい。
すると、任務を終えたばかりと見えるなまえの姿を見つけ、俺はゆっくり近付いた。
俺に気付いたなまえは体を強ばらせ後退りするが、俺は構わず腕を掴み取り、俺の部屋まで引きずり込んだ。
「ち、ちょっとカカシっ!私、まだ報告書提出してないの!」
部屋に入るなり掴まれた腕をさすり、俺に怪訝な顔をするなまえ。
「煩いヨ。だったら直ぐに説明してくれる?」
俺が割れたカップを指差すと、なまえの顔はみるみる曇っていく。
やっぱり、本気じゃ無かったの?
「俺が何にも気付かないとでも?」
俺の言葉に、昨夜と同じ様に顔を歪ませ俯くなまえ。
「ごめん……」
俺が聞きたいのはそんな台詞じゃない。
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