抱き締めて
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俺の愛撫に声を漏らし、必死にしがみ付くなまえを強く抱き締め、湧き上がる焦燥感を掻き消したい。なまえの不安をも掻き消して、何も考えずに抱き合いたい。
ただ伝えたくて、なまえに解って欲しくて、愛しているのは、なまえただ一人だけなんだと解って欲しい。
必死になまえに愛を注ぎ込み、何度も何度もを突き上げ、なまえの吐息を感じながら、何度も何度囁いた。
「なまえ、俺が愛しているのはなまえだけだよ」
息をするのもままならないまま、なまえの上に倒れ込むと、なまえの腕が俺の背中に回され、なまえは吐息と共に言葉を吐き出す。
「……ごめ、んっ。本当は……ずっと一緒に居て、欲しいの……」
信じたいのに、信じきれない自分が嫌で、傷付きたくないから逃げ道を用意していた。それが相手を傷付ける事になると解っていたのに、怖くて強がっていた。
「傷付かない振りが、できるように、何があっても、私は大丈夫だって言えるように、逃げ道を用意してたの……ごめんなさい……」
なまえはどんな言葉なら信じてくれるんだろう。どんな俺なら、笑顔で飛び込んできてくれるんだろう。
見つめ合ったなまえの笑顔は儚げだった。それは本当にすぐにでも消えてしまいそうだけど、溢れる想いをなまえと共に抱き締めて、この腕の中から何が落ちて無くなったとしても、なまえだけは、絶対に離しはしない様にと。
「なまえが信じてくれるまで、何度だって伝える。何度だって抱き締める。俺を信じられなくなって出て行っても、何度だって連れ戻しに行く」
なまえが隣に居てくれるためなら、何度でも、どんなことでもするよ。そう願いを込めて告げれば、なまえははにかんだ笑顔を浮かべた。
「……ほんとに?」
俺はなまえをしっかりと抱き締め、力一杯頷く。
「当たり前だよ。逃がす気ないって言ったでしょ?」
ふわりとした笑顔のなまえを腕の中に閉じ込めた後は、なまえの好きな色のカップを買いにいこう。誰が見てもなまえの物だとわかる物を、俺の部屋いっぱいに集めよう。
そうして毎日、なまえを抱き締めて眠りたいんだ。
Fin
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