モテる男はお辛いですか?B

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雨は激しさを増す。


大きな雨粒に打ち付けられて、辺り一面をぐちゃぐちゃにしていく。


心臓を直に握り掴まれ、その圧力に耐えかねた醜い嫉妬心が泥水の様に流れ出す。


それに浸かった更紗さんと、きっとそれを冷たい目で見ているであろう私。
そしてそんな私は間違い無く嫌な奴だ。



更紗さんも側に立っていたカカシとゲンマに気付いてるんでしょ?

それなのにいつまでもそうやって泥に塗れて泣いているんでしょ?


私はそう思いたい。
更紗さんは嫌な奴なんだって。私よりも嫌な奴なんだって。



「すみませんでした……。また日を改めて参ります……」


よろよろと立ち上がる更紗さんを見て、カカシがサッと手を伸ばすのは任務だから?


「……私はどんだけ惨めなの?」


雨音に隠れて呟いた私の声に、気付いてくれたのはカカシじゃなくてゲンマだった。



「なまえ、俺は更紗さんを送って来るヨ」



任務だって言ってよ。

これは任務だからって言ってよ。


愛の言葉なんて要らない。今聞きたいのは"任務だから"って言葉だけ。


任務だから我慢しろって、言ってくれればいいんだよ……。

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