モテる男はお辛いですか?D

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やはり俺達に気付いていたカカシはなまえに目を向け、それにつられて更紗姫もなまえを見上げた。



「……なまえさん」



更紗姫はゆっくり立ち上がり、その深緑色の瞳に怒りを携えてなまえに近寄る。


カカシに受け入れてもらえない苛立ちを一歩一歩踏みしめて。



「何故貴女なの?何故私では叶わないのですか?」


涙の跡が幾重にも光り、月明かりも手伝い妖艶さを増す更紗姫をなまえは真っ直ぐに見つめていた。


「私が貴女より劣っているとでもおっしゃるの?」



一面を百合の香りが包み、思わず顔をしかめる俺だったが、なまえは真っ直ぐに姫さんを見つめている。


「……何なの?」


なまえの言葉に一瞬反応を示した更紗姫は、それをすぐに怒りに変えた。


「……それはこっちの台詞ですわ。貴女こそ何ですの?……貴女が居るからカカシさんは……!」


なまえが苛立っているのは明らかだった。姫さんの一方的な感情だけをぶつけられ、本来被害者であろうなまえに怒りを剥き出しにする姫さんに、流石になまえも我慢の限界が近付いていた。


「カカシが何?」


なまえの声が低くなる。そしてそれと同時に視線も鋭くなり、姫さんを真っ直ぐに射抜いていた。



その気迫に押されてか更紗姫は一瞬たじろいだが、負けじと今まで以上に怒気を含んだ目で言い放った。



「貴女が居なければ、貴女が居なければカカシさんは私をちゃんと抱いて下さったのよっ!」

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