モテる男はお辛いですか?F
(2/7)
なまえは何度もバンジーを繰り返して上機嫌で、カカシの部屋に場所を移してもそのテンションは変わらず飲み続けていた。
その結果……、なまえはソファーでうずくまる様に眠りについた。
「……俺のせいだネ」
普段から酒の弱い事を自覚していたなまえが酔いつぶれて眠る姿を見たカカシは、なまえにそっと毛布を掛けながら顔を歪ませる。
なまえは本来の笑顔を見せるが、そこから時折覗かせる憂いを見逃す程、カカシとゲンマは甘くはない。
「そう思うならちゃんとフォローしとけよ」
「……うん」
カカシはそう肯いてなまえに視線を向ける。柔らかく切ない、大切なものを目で慈しむような目。頭では理解していても自然とカカシから顔を背けるゲンマは小さな嫉妬を感じるも、それをひた隠すようにカカシに問い掛ける。
「で、姫さんとは本当の所どうなんだ?」
「……俺の幻術では満足してくれなかったヨ」
「でも姫さんは"抱かれた"って言ってたぜ?」
意地悪な質問だとは思いながらも確かめずにはいられなかったゲンマは、歪めた顔を隠す様に遠くを眺めながら聞き返した。
「分身を置いて出て来たけど、結局バレてこの様だヨ」
「……"影分身"じゃなくてか?」
ゲンマの意図を読み取ったカカシは少しムッとするが、それも仕方の無い事だと諦め溜め息を吐く。
「そう思われても仕方無いネ。でも俺は……」
「解ってるよ」
カカシの言葉を遮り千本を揺らし、ゲンマは静かに呟いた。
「お前がなまえを悲しませる様な事はしないって、解ってるよ」
『なまえもな……』
その言葉はゲンマの胸に留められたが、それでもカカシの心が少し軽くなったのは確かだった。
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