モテる男はお辛いですか?F

(3/7)
「……悪かった……ネ」

「お前の為じゃねぇよ」


ゲンマがそう答えたのは、素直じゃないからか本心からか。カカシは何となくゲンマの気持ちを察するも、ゲンマ相手には小細工などは意味をなさない。


しかしよく考えれば解る事。ゲンマもカカシ同様に人に執着心を持つ事は少なかったが、なまえが来た途端に何かしら一緒に居る事が多くなった。


カカシとなまえ、なまえとゲンマ。



自ずと見えてくる答えにカカシは俯くが、そんなカカシの僅かな心の動揺をゲンマは感じ取った。


忍である二人の忍らしからぬ心のざわめきは、忍で在るが為に口にしなくとも解ってしまう。



それでもゲンマは隠しておきたかった。否、隠さなければならなかった。

ゲンマはなまえがカカシを好きな事をよく知っている。けれども、それを口にしてしまったらなまえは誰の前で泣けるのだろう。


「ゲンマは……」

「妙な心配してんなよ」


カカシの言葉を遮ったゲンマは守りたかった。カカシとは違う形でも、なまえの泣ける場所を守ってやりたかった。



「あんまり世話やかせんなよな。俺はもう歳なんだしよ」



なまえが笑っている事。それが一番重要なんだ。それがカカシの隣だろうが何だろうが。

今の関係をぶち壊してまでする事じゃねぇ。


初めて会った時からなまえはカカシが大好きだった。ゲンマはそこから始まったのだと、心の奥底に言い聞かせる様にそう言って笑った。

.
171/201

ListTopMain

>>Index