Last Chance

(2/7)
「ようカカシ、なまえ居るか?」

「……なまえはもう居ないヨ」


自分の言葉にやり切れなくなる。


俺は急遽長期任務を入れ、少しでもなまえの事を紛らわせようと思っていた。


「もう居ないって……何かあったのか?」


ゲンマの言葉に一瞬胸が痛んだが、俺は任務の準備の手を休めずゲンマに言った。


「なまえに本を返しにいくなら、窓の鍵開けとくから適当に行ってヨ」


普通に言ったつもりだったけど、知らず知らずに強まる口調。


「何だよそれ。八つ当たりするなら解る様に説明しろ」



本当だよネ。
感情を表に出すべからず。基本なんだけどネ。


俺は大きな溜め息を吐きながらゲンマに降参した。少しは楽になると思ったんだ。


俺が一通り話し終えるとゲンマは眉間に皺を寄せて言い放つ。


「……どうしようもねぇな」


ゲンマの台詞が絶望的に聞こえた。いつも遅刻魔の俺だけど、その日は早々に家を出た。そこで反対側へ歩き出したゲンマが俺に投げ掛ける。


「カカシは納得出来んのか?」



出来る訳無い。
でもどうすればいいんだ。


俺は唇を噛み締めながら歩き出した。

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