黒い影

(8/8)
「ほらっ!カーテンの所、よく見てよっ!」



そして二人はゆっくりカーテンに近付きながらボソボソっと会話を始めた。


「……ねぇゲンマ、もしかしてコレの事かな?」


「……コレの事かもな」


二人は顔を見合わせ、同時に私に振り返った。


「てんとう虫かよっ!」


「うわぁ、その名を口にするな!間違っても部屋で潰したりしないで、は、早く外に出して!」



あの忌々しい赤い斑点を携え、私目掛けて今にも飛び立とうとしてるではないかっ!


カカシはやれやれといった顔でてんとう虫を外にだし、私はそれをしっかりと確認した。



カカシとゲンマのお陰で無事に解決出来た私は、ホッと胸を撫で下ろし、それを見ていた二人は私に聞こえる様に嫌みたっぷりに言う。


「カカシ、本当にこいつでいいのか?」


「……あ、まあ……ね」



おいおい、誰にも苦手なもんの一つや二つあるもんでしょ。


そう思いながら研究室に行く準備をしていると、カカシが静かに口を開いた。



「なまえの誕生日には、虫かご一杯のてんとう虫をプレゼントするヨ」



……誕生日には絶対に海外へ逃亡しようと心に決め、私カカシと共に研究室へ向かったのだった。

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