研究室

(8/8)
『木の葉出入許可証』


そう書かれた紙が一枚。

「ま、お前が異世界から来た事が知れ渡ってもこれがあれば文句を言う奴はいないさ」


火影の印がしっかり押されたその紙が、やけに重く感じたのは私だけじゃないはず。



「なまえ、嫌な思いをさせてすまなかったな」



綱手様はカルテを残したまま席を立ち、ドアに手をかけた所で振り返った。


「それはカルテのコピーだよ。どうするかは自分で決めな」



そう残して静かにドアを閉めて行った。



私はそっとカルテのコピーを手に取り、さっと目を通した。


私の生い立ちやら思い出やらが細かく記載されている。


それをカカシに手渡した。きっと綱手様も私がこうすると思って置いていってくれたんだと思う。


カカシは遠慮がちにカルテを捲っていく。
時たま手を震わせているのが解った。


最後のページを捲り終わった時、カカシは視線を私に向ける。



「私の人生も捨てたもんじゃないでしょ?」


「なまえ……」



「私の中に、カカシが沢山居たでしょ?」



「……うん」



私とカカシは真っ直ぐ見つめ合い、それから強く抱きしめ合った。




カカシに出会ってから、
私は幸せになれたんだよ。




それをカカシにも知ってて欲しかったんだ。

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