左ストレート
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クローゼットから落ち、利き腕をギプスで固定する羽目になった私は、職場に電話を入れ事情を説明した。
パソコンも以前の様には打てない為、原稿は出来る範囲でいいと有り難いお言葉を頂いたが、受話器の向こうで盛大に笑い者にされた。
仕方ない。何しろ40センチ程の高さしかなかったのだから……。
けれども、利き腕が使えないというのは本当に不便極まりない。
カカシにああは言ったものの、やっぱり手を借りるのに抵抗があり遠慮した。
しかし、料理は出来ない。ボタンも上手く掛けられない。お風呂では左側が思うように洗えないし、髪を洗うのもきつい……。
トイレすらも大変で、終いには滅多に履かないスカートを部屋着にする始末。
カカシはそんな私をニヤついた顔で見てるだけ。
バレバレなんだよね。私が助けを求めてくるの、待ってるんでしょ?
このまま負けてたまるものかっ!と思っても、やっぱり……。
「助けて下さい……」
するとカカシは待ってましたとばかりに勝ち誇った顔で私に言う。
「じゃ、まずはお風呂だネ、なまえ!」
いえいえ、『じゃ』の意味、解りかねます。
不満を顔全体で表現してみるも、
「助けて欲しいんでショ?」
の一言で軽く流され、私は諦めてバスルームに連れられていった。
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