クローゼット
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「はっ?木の葉?忍?」
何この人…。
顔は半分以上隠れてるし、さっきからひとりで『うんうん』頷いてるし。
ヤバいよ、相当ヤバいよ!
焦り、困惑する私。しかしこの男はそんなのには構わず話しかけてくる。
「何か揺れたりしなかった?」
「えっ?……ゆ、揺れた!」
それを聞いたこの男は、またしても一人でブツブツ言いながら考え込んでいる。
その様子は怪し過ぎるが、今の所私をどうこうするつもりは無い様だ。
もしそうなら、チャンスはいくらでもあったしね。
少しこの男と話してみても大丈夫かな?
そう思い、警戒しながらもこの現状について恐る恐る話してみると、どうやらあの"揺れ"に何かあるようだ。
そしてその"揺れ"により、何故かクローゼット同士がくっ付いた……って事らしい。
これは……!
次回作のネタに使えるかも!
とりあえず私はリビングに『カカシ』と名乗る自称忍を案内すると、カカシは私の部屋を見て目を丸くする。
「何か気になるものでも?」
私はコーヒーを注ぎながらカカシに聞く。
カカシの話をによれば、カカシの住む『木の葉の里』は昔の日本に近い様で、作家である私の部屋にあるパソコンなど珍しそうに見ている。
うん、確かに私もその『木の葉の里』に興味がある。クローゼットは繋がっている訳だし、不可能では無いだろう。
そんな事を思いながらコーヒーを飲んでいると、カカシが私の本棚に飛び付いた。
「ねぇ!この素晴らしい本は何!?」
「え?どの本の事?」
私はコーヒーを啜りながらカカシの方を向く。
「えーっと、この作者が……なまえってやつ!」
ブーッ!!
私は驚きのあまり、コーヒーを噴き出し絶句した。
そう、それは以前私が書いた……、全く売れなかった官能小説だったのだから……。
よりによって何故その本なんだよ……。
「……私が書いたんだよ。売れなかったけど」
そう言うとカカシは
「なまえ?え、……君が書いたの!?」
あ、私、まだ名乗ってなかったっけ。
「私、なまえ。その本の著者だよ」
カカシの目が輝く。
どうやらよっぽど気に入ってくれたみたいだ。
「素晴らしい、凄いヨなまえ!」
そう言い黙々と私の本に目を通していく。
なんか、変な人。
しかしここから、私とカカシの奇妙な半同居生活の様なものが始まったのだった。
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