蟹食べ放題への道
(6/6)
鼻歌混じりで夕食を作り、テーブルに並べれば一斉に食べ出す三人。
私には全てが蟹に見えて仕方がないよ。
「でも学は蟹三昧に行かなくていいの?」
ハンバーグを口一杯に頬張った学はそれを喉に流し込み、懐からチケットを差し出した。
「……俺はこっちに来る機会なんてそんなにないし。それに姉ちゃん蟹好きだろ?」
「何て優しい弟なの……」
涙で目の前が霞んでしまいそうな私を後目に、学はスープを口にしながら徐に口を開く。
「そのチケットで四人まで行けるからさ、カカシさんとゲンマさんもちゃんと連れてってあげろよな」
学はニヤリと笑った。
食べ放題に男連れ……?蟹を食べる時の私は無我の境地だよ?その姿を二人に見せろって?
流石は私の弟。自分が行けない無念をそうやって晴らす訳ね。
チラッと視線を移せばすっかり蟹気分のカカシとゲンマは「蟹、蟹」と連呼中。
二人が任務の時にでも……と私の中の邪な気持ちが顔を出した時。
「一人で行ったら解ってるよな?」
「まさかなまえが俺達をおいていく訳無いよネ?」
「心配だからこのチケットはカカシさんに預けておくよ」
やってくれんじゃん学……。それならお望み通り、この二人の前で蟹の亡者になってやるしっ!
この時の私はまだ知らない。
このチケットが恐ろしい事件を引き起こす事を……。
.
181/201←|→
List|Top|Main>>
Index