蟹食べ放題への道

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鼻歌混じりで夕食を作り、テーブルに並べれば一斉に食べ出す三人。


私には全てが蟹に見えて仕方がないよ。


「でも学は蟹三昧に行かなくていいの?」


ハンバーグを口一杯に頬張った学はそれを喉に流し込み、懐からチケットを差し出した。


「……俺はこっちに来る機会なんてそんなにないし。それに姉ちゃん蟹好きだろ?」

「何て優しい弟なの……」


涙で目の前が霞んでしまいそうな私を後目に、学はスープを口にしながら徐に口を開く。



「そのチケットで四人まで行けるからさ、カカシさんとゲンマさんもちゃんと連れてってあげろよな」



学はニヤリと笑った。


食べ放題に男連れ……?蟹を食べる時の私は無我の境地だよ?その姿を二人に見せろって?


流石は私の弟。自分が行けない無念をそうやって晴らす訳ね。


チラッと視線を移せばすっかり蟹気分のカカシとゲンマは「蟹、蟹」と連呼中。



二人が任務の時にでも……と私の中の邪な気持ちが顔を出した時。


「一人で行ったら解ってるよな?」

「まさかなまえが俺達をおいていく訳無いよネ?」

「心配だからこのチケットはカカシさんに預けておくよ」



やってくれんじゃん学……。それならお望み通り、この二人の前で蟹の亡者になってやるしっ!





この時の私はまだ知らない。



このチケットが恐ろしい事件を引き起こす事を……。

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