モテる男はお辛いですか?A

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「おいなまえ、大丈夫か?」

「……なんで?」



そう言って振り返ったなまえの顔は凛としていたが、なまえはカカシの部屋に戻ろうとしない。
さっきから回り道ばかりだ。


星も出ていない真っ暗な道では、なまえの背中が頼りない。



そして一本杉の前まで来るとなまえは歩みを止めた。



「ねぇゲンマ、あの木のてっぺんに登れる?」

「お前、登りてぇのか?」


なまえは一本杉を見つめながらコクリと頷く。



……チッ仕方無ぇなぁ。



俺はなまえを担ぎ上げ、その軽さに驚きながらも一本杉のてっぺん付近にサッと登りなまえを立たせ、落ちない様に手を掴んだ。



「うわぁぁい!高い!恐い!落ちたら死ぬー!」



なまえは目を大きく見開きながらはしゃぎ、灯りが殆ど消えた里を見渡していたが、とんでも無ぇ事を考えていやがった。



「ゲンマ、バンジージャンプしたい!」


「はぁぁ!?お前馬鹿だろ?……大体紐なんか無ぇよ」

「じゃゲンマが下でキャッチしてよ」

「日頃の恨み、死んで詫びたいか?」



俺の返しに声を出して笑うなまえ。


内心カカシが気になって気が気でないだろうに、こいつのこういう所が面白い。


「なまえ、もういいだろ。そろそろマジで帰るぞ。カカシん家まで大分遠いぞ?」




俺は再度なまえを担ぎ上げ、一本杉を一気に駆け下っていった。

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