難攻不落

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賊の巣窟となっているこの界隈に飛び出すと、ざっと見積もって数十人の賊達が息を潜めていた。


「……予想より敵の数が多いな。なまえ、大丈夫?」


また強気な発言が返ってくるんだろうなと、今にも飛び掛かってきそうな気配に神経を張り巡らせながらそう尋ねると、なまえからは予想外の返事がくる。

「後ろは任せて!……って言いたい所だけど、今の状態じゃ厳しいと思う」

「……その発言は任務だからって事でいいのかな?」

「うーん、八割正確」


背中合わせで言葉を交わしながら、なまえの緊張感が伝わってくる。


「あとの二割は?」

「カカシの力を見越しての発言」


口布越しに息を吐くと、すうーっと力が篭ってくる。これでは格好悪い所は見せられないと、心なしか胸を張った。


「どのくらい出来そう?」

「……ごめん、たぶん四分の一くらいが限界だと思う。カカシは……大丈夫?」


触れ合った背中が離れてしまうのは名残惜しいが、彼女の言葉は十二分に俺を鼓舞してくれる。


「誰に言ってんの。後ろは気にしなくていいから、無理だと思ったら直ぐに俺の所に来る事。……いいね?」

「……うん」



忍として信頼を得ているのか、はたけカカシとして信頼を得ているのかは解らない。

しかし、どちらにせよ彼女は俺を信頼してくれているという実情は自惚れではなかったのだ。


ま、本当は背中だけじゃなくて全部預けて欲しい……なんて思っている事は、一体いつまで内緒にしておかなきゃ駄目なんだろうね。

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