難攻不落

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いくら手強いとは言え、相手は忍ではない。しかし数が多いだけになまえの体力が心配だったが、やはりそこは俺の見込んだなまえ。
しっかり俺の後ろを片付けてくれていた。


「なまえ、怪我は?」


僅かに漂う血独特の臭いに気遣いをみせれば、彼女は笑いながら言って退ける。


「大丈夫。ほぼ返り血だから」


大きく肩を上下させてはいるが、なまえの声にはまだまだ力が感じられる。

まったく男を立てるって事を知らないのかね。


「頼もしい限りで……。じゃ、依頼人の所へ戻ろうか」



なまえと依頼人の所へ戻り任務が終了したと告げると、依頼人はぎゅっと胸元のお守りを握り締めた。

「まだ残党がいるかもしれないので、今のうちに花を摘んでこの辺りからは抜けた方がいいでしょう」

「さあ、早く行きましょう」

依頼人に向かって笑うなまえに、何か言おうとしていた依頼人だが、何かを思い返しそっぽを向いてしまった。

しかしそれでもなまえは笑っている。
この依頼人がただの頑固者では無いと知ったからだろうか。それとも、なんとも穏やかな顔で花を見つめる依頼人を見たからだろうか。


彼女はずっと笑顔だった。

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