ドキドキとキス

(2/7)


なまえが入院して一週間が過ぎた頃、なまえの病室を訪れた穂積は、薬売りの仕事の為、今日の午後に里を立つ事を告げた。



しばらく当たり障りのない会話をした後、そろそろ準備があるからと席を立った穂積は、怪我が治ったら、これからもたまに店を手伝って欲しいと頭を下げた。


仕事とは言え、年老いた母と幼い息子を残して行くのは心許ない。


そんな穂積の親心はなまえにもしっかりと伝わってくる。



「穂積さんが次に帰って来る時までに、すっごい兵糧丸を作れるように頑張りますから、穂積さんも道中お気を付けて」



それを聞いた穂積は微笑みながら礼を言い、病室のドアに手を掛けた、半分開いた所で立ち止まった。


「それと、カカシさんともお幸せに……ね?」


そう言い終わると同時に、穂積がゆっくりとドアを閉めたその数分後、今度はカカシがなまえの病室を訪れた。



「なまえ、調子はどう?」


「うん、大丈夫……」



心なしかなまえの瞳に涙が溜まっている。



「今さっき、穂積さんに会ったヨ」


「うん。今日、里を立つからって挨拶に来てくれたよ……」


「うん。さっき聞いたヨ」




「穂積さん……、カカシさんともお幸せにって……」




カカシがなまえの隣に腰掛けると、なまえの瞳からは涙が零れた。カカシはその涙を指で拭いながら微笑む。




「そう……。良かったネ……」







ありがとうと、心の底からそう思ったのは、なまえだけじゃなくカカシも同じだった。

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