ドキドキとキス

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なまえが入院してから十日目。

主治医から、『今は多少指先に力が入らないが、リハビリによって十分回復も期待出来るし、現状でも日常生活は問題無く送れる』との事で、やっと退院の許可がおりた。



俺からしてみればもの凄く長い十日間だったのに、当の本人は『もういいの?』と、喜ばしい退院を訝しんでいた。



「医療忍術って凄いんだーヨ」


そう言い聞かせてなまえを病院の外へ連れ出すと、やっぱり外が嬉しい様で、なまえは大きく伸びをした。


「うーん!ま、細かいことはいいや!早く帰ろっ」


太陽をいっぱいに浴びた笑顔で俺の手を取るなまえ。俺の左手には少し頼りなくなったなまえの右手が絡められる。


それでもなまえの右手からは力が伝わってきて、本当にこれだけで済んで良かったって思った。


「うわー、桜が咲いてる!」



俺の心配をよそに、なまえは俺をグイグイ引っ張り、すっかり春めいた里に目を輝かせ、普段はクールなのに子供みたいな笑顔をして俺を見上げる。


「木の葉の桜も綺麗だね」


そしてそんななまえに擽られる俺。



「もう少し落ち着いたらお花見に行こうネ」




なまえが無事だった事、なまえがまた笑ってくれた事。


本当に良かったヨ。

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