ドキドキとキス
(3/7)
なまえが入院してから十日目。
主治医から、『今は多少指先に力が入らないが、リハビリによって十分回復も期待出来るし、現状でも日常生活は問題無く送れる』との事で、やっと退院の許可がおりた。
俺からしてみればもの凄く長い十日間だったのに、当の本人は『もういいの?』と、喜ばしい退院を訝しんでいた。
「医療忍術って凄いんだーヨ」
そう言い聞かせてなまえを病院の外へ連れ出すと、やっぱり外が嬉しい様で、なまえは大きく伸びをした。
「うーん!ま、細かいことはいいや!早く帰ろっ」
太陽をいっぱいに浴びた笑顔で俺の手を取るなまえ。俺の左手には少し頼りなくなったなまえの右手が絡められる。
それでもなまえの右手からは力が伝わってきて、本当にこれだけで済んで良かったって思った。
「うわー、桜が咲いてる!」
俺の心配をよそに、なまえは俺をグイグイ引っ張り、すっかり春めいた里に目を輝かせ、普段はクールなのに子供みたいな笑顔をして俺を見上げる。
「木の葉の桜も綺麗だね」
そしてそんななまえに擽られる俺。
「もう少し落ち着いたらお花見に行こうネ」
なまえが無事だった事、なまえがまた笑ってくれた事。
本当に良かったヨ。
.
72/82←|→
List|Top|Main>>
Index