想い、出逢いA
(7/7)
翌朝、薬草採りの為になまえを迎えに来た緑丸の後ろには穂積さんが立っていた。
なまえは一瞬体を強ばらせたものの、穂積さんに昨夜の無礼を詫びて森へと出掛けて行った。
時計を見れば待機所に行くまでまだたっぷりと時間がある。しかしもう一眠りしようなどという気にはなれず、俺の足は自然と慰霊碑へと向かい、言いようの無い不安を亡き友は静聴する。
……当然か。
小さく呟き、まだ暗い空を仰ぐと頬に雨粒が落ち、それは次第に地面を濡らした。
この雨だ、なまえも直戻って来るな。
そう思い慰霊碑のすぐ右手に見えるなまえの居る森に視線を移したその時、その森から小さな爆発音が聞こえ、ハッとした俺は急いで駆けつけた。
すると案の定、真っ青な顔をして震えている緑丸の姿。
「緑丸!何があったんだ!」
「なまえと……お父さんが……」
震えた指で緑丸が差した場所には不自然に急斜面が露出し、この雨の中でも近くには火薬の臭いが残っていた。
近付き下を覗き込むと、木の根が所々と突き出していて、その内の一根にぐったりとした穂積さんが引っ掛かっている。
そしてその遥か下。
細く真っ白な……なまえの手───。
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