嫌になる程抱きしめて
(7/7)
やがてお互いの唇が離れると、カカシは穏やかな顔をしてなまえに囁く。
「どう?俺の気持ち伝わった?」
「……どうって……」
「俺はこんなになまえを愛してるんだヨ?それなのになまえにこれ以上心配かける訳無いでしょーヨ」
カカシの言葉になまえは口を尖らせる。
「何ヨ、まだ足りないの?」
「そんなに簡単じゃないでしょ!」
「そうかな?簡単だヨ」
カカシはそう言って再びなまえに口付けた。何度も何度も深く舌を這わせ、なまえに呼吸する暇さえ与えなかった。
「んっ……くるし……っ」
「苦しい?じゃあもっとだネ」
「カカ……シ……」
度重なるカカシからの優しくも激しい口付けに、なまえは何も考えられなくなるほどに酔いしれていく。
「カカシ……んっ……」
そしてなまえの声に艶が混じり出した頃、カカシの唇はなまえの耳元へ移される。
「なまえ、もう絶対今日みたいな事は無い様にするし、俺もちゃんと帰ってきて、なまえの不安を抱きしめて拭ってあげるから……」
理解していたつもりでも、それは本の一部分だけで、今だってきっと全てを知った訳じゃない。それでもカカシが忍である事には変わりないし、これからだってそうだ。
ここで何を言ってもなまえ自身が納得するしか無いと解っていても、なまえの心配が尽きないのなら、カカシは抱きしめる事でなまえの不安を紛らわせてあげよう。なまえを愛する事で安心させてあげようと思ったのだ。
「カカシ……ズルい……。そんな事言われたら私……」
「ごめんネ……。でもその分、沢山沢山抱きしめるから……」
何にも出来ない自分が情けない。なまえはそんな自分に唇を噛む。物分かりがいい様に見えてもカカシが危険に遭うのは恐い。けれどもカカシに抱きしめられたなまえは、その言葉通りに不安が安らいでいくのが解った。
「……じゃあもっと抱きしめて。嫌になるくらい抱きしめてよ」
なまえの瞳からは涙が止まらなくなっていて、その頬には涙の道筋が幾重にもなっている。カカシはそれを指でそっとなぞり、何度目かのキスを落とす。
「嫌になっても抱きしめるヨ」
出口なんて無いのかもしれない。だけど、お互いが一緒に居るならば乗り越えて行くべき事、乗り越えられる事だと思う。不安にも負けないほどの愛で繋がっていれば、きっと。
「ねぇなまえ、キスして抱きしめてもダメな時は言ってネ?」
「……どうするの?」
「……知りたい?」
「まぁ知りたい……かな」
二人は鼻先を触れ合わせながら、解りきった答えに笑みを零したなまえの目に、もう涙は無い。
もっと深く抱き合えばいいと、カカシの目がそう言っていたからだ。
END
- 7 -←|→
List|Top|Main>>
Index