嫌になる程抱きしめて

(6/7)
家の前でゲンマと別れ、どことなくぎこちない様子のカカシとなまえ。それは家の中へ入り、二人でソファーに座っていても変わらなかった。


「なまえ……」


今日の様な体験は、なまえの世界では考えられない事だった。突然連れ去られクナイを突き付けられ、目の前で小屋までもが倒壊したのだ。恐かったどころの話では無い。


しかしそれ以上に、毎日任務へと出掛けて行くカカシが、いつもあんな目に遭っていると思うと震えが止まらなくなってしまうのだ。


「……カカシ……カカシ……」


なまえは堪らずカカシの胸にしがみつく。


「なまえ?」

「カカシがいつもあんな事してるなんて……知りたくなかった……」


やはり……と、カカシはなまえを抱きしめながら天井を仰いだ。
任務だとは言え、生と死が交差する。もちろん人を殺める事もあるが、それは敵だって同じ事。しかし、忍を知らずにきたなまえが受け入れるには難しい事なのかもしれない。


「なまえ、恐がらせちゃってごめんネ……。でも、それでも俺はこれからも……」

「……忍であり続けるんでしょ?」


その言葉を聞いてカカシは目を見開いた。何しろカカシが言おうとした事をなまえが先に口にしたのだから。


「カカシ、勘違いしないでね?……私が恐いのはカカシじゃないから……」

「なまえ……?」

「あんなに危険だとは思わなかった……。ううん、想像できなかった……」


なまえは目にうっすらと涙を浮かべ、カカシの胸に顔を埋め小さく呟く。


「……心配で任務に送り出せなくなっちゃいそう……」


カカシの不安とは裏腹に、カカシの忍としての顔を垣間見たなまえは、その危険さ故にカカシ自身がどうにかなってしまうのではないかと不安にかられてしまっていたのだ。


なまえが今日あの男達の生死を心配したのも、もしカカシが相手を殺めてしまったら、カカシがその罪悪感を背負ってしまうのではと恐かったからだった。カカシの優しさを知る、なまえの思い。


「なまえ、大丈夫だヨ。俺はそんなに弱くないヨ」


強く抱きしめたままカカシがそう呟くと、なまえはカカシの服を握りしめながら言った。


「……何があってもちゃんと帰ってくる?」

「もちろん」

「……いつもみたいに気の抜けた顔で?」

「……何が言いたいのヨ」


思わず苦笑するカカシをなまえは見上げる。その瞳にはカカシを思って今にも零れそうになった涙が溜まり、カカシはそれに胸が締め付けられたと同時に愛しくなる。


「……ちゃんと帰って来ないと浮気しちゃうよ」

「それはダメ!死に物狂いで帰ってくるヨ」


なまえの瞳から涙が零れる。カカシはそれを掬ってなまえを見つめた。


「なまえ、そんなに心配ならキスしてヨ」

「……どうして?」

「いいから」


カカシはそう言って口布を下げ、なまえの唇を塞いでいく。そしてゆっくりと唇を割り、奥へ奥へと交わらせた。

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