Detectives
2023/04/16
ノック
子供の頃から大きかった。気づけば170cm越え。か弱く可愛らしい少女のような女性を好む男でも落とす自信はあるけれど身長を誤魔化すことだけは出来ない。
「お手をどうぞ」
ついさっきまで、馬子にも衣装ですねと呟いていた彼からは想像できないような恭しさでスマートに差し出された左手をとって、そっと側の手すりにも手をかける。
鍛え抜かれた筋肉をスーツとドレスに隠して貴族令嬢の真似事をする。
踊り場の前に立ち、一段下を歩いていた私を誘ったその手に身を委ねるよう彼の目の前に立てば、同じ位置に立っているのに目線の高い彼は目の前の大きな針時計はまるで随分昔に流行った映画を思い起こさせるには十分だった。
←
|
→