外は気持ちいいほどの晴天。
今日のお昼は屋上で食べよう……。
そう決めた心はお弁当をもって
教室を出ようとしたとき、クラスの女子に声をかけられた。

「茅ヶ崎さーん!一緒に食べない??!!」

「え……、あぁ…また今度ね!昼休み用事があって。」

「そっか……じゃあまた!」

「うん、ありがとう。」

当たり障りない返事を返した心はスタスタと歩き始めた。

「……はぁ、イベント最終日なんだよ…勘弁して……。」

屋上に着くと、隅の方に胡坐をかいて座り
急いでアプリを立ち上げる

「げっ……、NEOに越されてる……粘着質すぎじゃない…?」

あはは…と苦笑いをしながらお弁当のサンドウィッチとかじりながら
ブラウォーを黙々と進める。

「……よし、NEOは越した………。お兄ちゃんは無理かな……?」

明らかに点差の開いた「たるち」を追うことは諦め、別のアプリを開く。

「昼休みは忙しいんだよ……、やることいっぱいで。」

「そう。」

「ねー………。えぇぇ!?」

一人だと思っていた心は驚いて顔を上に上げた。

「アンタ、誰?」

「え?誰って……君から名乗りなよ……。」

「面倒。」

黒とベージュのツートンヘアー
口元にある艶のあるほくろ
ヘッドフォンで何か聴いている青年は
「この時間、ここに人いないと思ってたんだけど……。」
と話しかけた。

「ご、ごめんなさい……。」

「スカート捲れてる。」

「すみません!」

胡坐をかいていた足を正して
「名前は…?」
と勇気を出して、心は再度問いかけた。

「…はぁ、碓氷真澄。」

「碓氷くん…そう、私は茅ヶ崎心。」

「へぇ……。アンタ、ゲームするの。」

「あっ……。」

「結構やり込んでる?」

「えぇっと…これはそのぉ……。」

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