「東京は都会だなぁ…あっちがのどかすぎたのかな?」
久しぶりの奏の帰国。
それは数週間前の一本の電話…。
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『奏さん??久しぶりだね。小鳥遊です。』
「音晴さん!?おっおおおお久しぶりですっ…!どうなさったんですか!?」
『少し相談があってね。今大学生だっけ??』
「はい、そうです。」
『日本には…。』
「……あれから帰ってないです。逃げるようにこっちに来たので…なんというか、帰りにくくて……。」
『そうかい…。こっちに帰っては来ないのかな??』
「大学も家出の口実で入った学校ですし、帰りたいですが…。家には…。」
『うん…よし!わかった。提案だよ奏さん。』
「提、案…??」
『日本に帰って来なさい。今うちの事務所の寮に空き部屋があるんだよ。好きに1室使ってもらって構わない。』
「え?」
『その代わりだが…一応寮なんでね、うちの事務所の人間でなければならないのが条件。』
「でも私っ!歌は…っ!」
『まだ好きかい?歌うことも…踊ることも…。』
「っ!…す、好きです!!!」
『歌のすばらしさ、ダンスの楽しさを知っている君にお願いがある。今うちの娘が7人の男性アイドルのマネージャーをしているんだが、初めての事で大変そうなんだ。サポートに入ってくれないかな???』
「紡ちゃんが…マネージャーを???」
『無理にとは言わないが…。あ!引っ越し代金は会社で出すよー!』
「行きます。」
『即答だね…。』
「タダで日本に帰れるなら!!!」
タダで引っ越しできるという魔法の言葉にかかった奏は
急々と引っ越し準備をし、退学届けに
日本語で思いっきり「一身上の都合により」と記入し
帰国したのだった。
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