「では、今日一日みなさんはオフですからゆっくりしてくださいね!昨日あれだけ寒い中パフォーマンスしたんですから…体休めてくださいね?」

「おー、わかった。」

玄関でパンプスを履きながら、奏は環、壮五、三月に話した。

「奏も無理すんなよー?壮五から聞いたぞ?昨日傘ささずにステージ見てたって…。」

「あはは……。大丈夫ですよ!そんなにヤワじゃないですよ!」

「陸くんの事は任せて。何かあったら連絡するよ。」

「壮五さん、ありがとうございます!では行ってきます!」

「いってらー」
「「行ってらっしゃい!」」

事務所に着くと、奏は紡と今後の陸の病気との付き合い方について
話し合いを始めた。

「事務所は、きなこの毛も一本も残さず掃除をすることはもちろんですね。」

「あとは…陸くんの衣装も少し見直したほうがいいんですかね…?ファーが少ないものだったり…。あまり厚着にすると、踊ると発汗するのでそこは今まで通りの材質でもいいと思うけど…。」

「………なんで話してくれなかったんだろうって…、陸さんが目覚めるまで少し思っちゃったんです。知っていればフォローできたのにって…。気づけなかった自分じゃなくて陸さんを責めてて…。」

「……どうしたの?いきなり。」

「すみません……。少し自分が恥ずかしくて、嬉しくって、聞いてほしくて…。ちゃんといえば辞めさせられるかと思ったって聞いたとき、ああ、IDOLiSH7をここまで好きでいてくれるからの事だったんだなって思ったんです。それってマネージャー冥利に尽きるなって思って。」

「…そうですね。私も6人連れて帰るときに、環くんや三月さんに言われました。辞めさせないよね?って。みんなにとってIDOLiSH7が、もっともっと居心地の良い場所になればいいなって思いました……。1人が倒れた時に6人が駆け寄れるって素晴らしい事ですよね。」

「そうですね!私、IDOLiSH7のマネージャーになれてよかったです!」

「私も、後からだけど、みんなのコーチとして、マネージャーフォローとして携わることができてよかったって思ってるよ。」

「はい…っ!では、話戻しますね!レッスンの際の内容は奏さんに任せて大丈夫ですか?」

「はい!ペース配分は私で見ます!」

「あとは…。」

2人の今度の話し合いは、休憩時間を忘れるほどで、途中事務所に一織が来るまで夢中だった。

陸の様子が心配だった奏は、予定よりも少し
早めに仕事を上がらせてもらった。
少し静かにリビングのドアを開いた。

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