01 「……んうぅー……。」
談話室のソファーに横たわり、お腹を擦る心を見つけたのは天馬だった。
「んぁ?どーしたんだ??」
「万里さ……なんだ…天馬くんか…。」
「オレで悪かったな!!!!」
「いや…そーじゃないの…ほんとごめん許して…。万里さん帰ってきたかと思って…。」
「おぉ、そういえば買い物に出たっけ?心の依頼だったのか?」
「そそ……。」
「…てか、どうした??死にかけじゃん…。」
「大丈夫…生きてる…。」
「それは見たらわかるけど…。顔、真っ青だぞ?」
天馬が心配そうに顔を覗き込むも、心は痛みに耐えるように
丸くなった。
玄関が開く音に反応した天馬は
急いで玄関まで向かった。
「…お?天馬、出迎えか??」
「万里さんっ!!!!ちょ…!!!」
「ん???」
帰ってきたのはやはり万里で、天馬は手招きをして小声で話し始めた。
「心…死にそうな顔してるんだが…大丈夫なのか!?」
「ん?あいつ談話室にいんの??」
「丸くなってる…ソファーで。」
「……はぁー…、辛いならベッド行けって言ったのに…アイツ…。」
「心、具合悪いのか!?」
「……ハハハッ、死にゃあしねぇから安心しろ!ちょっとな。」
万里は天馬に笑いながら話すと、横たわっている心の顔を覗き込むようにしゃがんだ。
「よーい。心さーん。万ちゃん帰ってきたよー。」
「……んんー……。」
「顔見せてくんねぇの?おーい。」
「腰……痛い……。」
「……へいへい。」
万里は左手で心の腰を優しく擦りながら
話しかけた。
「…今日やっべぇ日?」
「うん……。」
「ちょい…顔見せてみ?」
「ん?」
器用に右手で、心の顔を自分の方に向かせると
「こりゃ確かに、天馬が死にかけてるっていうわな…。」と笑った。
「そんな顔ひどい…?私……。」
「10歳は老けてる。」
「なら26じゃん…世の中のお姉さまに謝れ。」
「さーせん。」
「……お腹痛い……。」
「へいへい。…部屋行くか?」
「……紅茶は?」
「わーったよ。飲んだら部屋行くぞ。」
「うー。」
万里がキッチンに向かうと、コソコソっと天馬と三角が現れた。
「心?だいじょーぶ?」
「三角さん……。」
「ほら、ブランケット持ってきたぞ。」
「天馬くんも、ありがとう……。」
「女の子は、からだ冷やすといけないってカズが教えてくれたー!」
「ふふっ、そうなんですね。ありがとうございます。」
「ばんりはー?」
「キッチンにいると思いますよ?」
「わかった!手伝ってくるー!」
三角は立ち上がると、キッチンに向かった。
「……大丈夫か?具合悪いんだろ?」
「うーん…ちょっとね。」
「何があった?」
「なっ、何がって…っ!」
「どうした?何かあったなら言え。」
「んー……。」
「ん?」
「てんま!チョップ!!!!」
「あてっ…!何すんだ!三角!」
天馬が顔を上げると、三角と万里が
席まで戻ってきていた。
「よくやった三角!……天馬、言いにくいこともあんだよ。」
「そーだよ!てんまダメ!」
「はぁあ!?オレは心配してやって…!」
「……の日なの……。」
小声でボソボソと話す心は、少し恥ずかしそうにしていた。
「ん?なんだ?」
万里は、寝ている心を優しく起こしながら、ため息をついて
天馬に話した。
「はぁー……、何回も言わすんじゃねぇ!お月様の日だ!!!」
「お月様の日????」
「ばんりすごーい!…あのね。」
よくわかってない天馬に、三角は耳元で
「女の子の日だよ。」
と教えた。
「……んなっ///!!!!」
「……もぅ……、恥ずかしい……。」
両手で顔を覆う心を見て、万里は
「天馬、ぶっ殺す。」と言いながら睨みつけた。
「そ、そんなのわかるわけねぇだろ!!!!」
「オレはわかってたよー?」
「普通気づくだろ……ったく。」
大きなマグカップに入った紅茶を飲むのに、ふーふーと息をかける心に、
「気をつけろよ?」と一声かけてから、万里はまた腰を擦った。
「……なんか、すまん……その……。」
「いいよ天馬くん。心配してくれてありがとう。」
「…おう……。」
「しっかし、休日でよかったな。学校だったら、行けなかっただろ?」
「今回のはひどいから、たぶん休んでた。」
「なら俺も休むけど。」
「万里さんは行け。」
「ッチ……。」
三角は「あったかくするんだよー?」と言い
三角形の無限カイロを渡した。
「その銀の丸いのをぱちってするとぽかぽかになるんだぁー!使ってね?」
「わぁあ…すごい……。三角さん、ありがとうございます!」
「ふふん!じゃーねー!」
天馬も「そのブランケットやる!じゃあな。」と言って、部屋に戻った。
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