01 バタバタと走りながら、談話室の扉を開けたのは天馬だった。
「悪い!遅れた!」
「天馬ぁ、遅っせぇぞ。」
「撮影が長引いたんだ…。心にもLIMEしてただろ?」
「うん、見たよ。天馬くんお疲れ様っ!」
天馬が席に着くと、咲也は「これで全員揃いましたね!」とニコニコしながら
話した。
「それでは、これより第13回リーダー会議を始めたいと思います。俺、月岡紬が議長を務めたいと思います。書記は、マネージャー。よろしくお願いしますね?」
「任せてくださいっ!」
すると、心の横から
パンパカパンパーン!とゲームの音が聞こえてきた。
「っし!激レア来たー。」
「こら、万里さんっ!会議中のゲームはダメですよ!終わったら一緒にしましょうね?」
「へーい。…でも、今回の議題はどーすんの?監督ちゃんいないんだろ?」
「そうなんだよねぇ……。監督からは任せるって言われたんだけど…。心ちゃんも聞いてない?」
「私も任せるとしか聞いてないですね……。まぁ、毎回議題に関しては決まってないような感じで、私が適当に決めたものばかりだったので、今回は皆さんで考えてみてはどうですか?」
そういうと、天馬が「はい。」と手を挙げた。
「天馬くん、どうぞ。」
「MANKAIカンパニーの運営方針についてってのはどうだ?」
「そんなの俺たちだけで決められんのかぁ?」
万里の意見に、咲也は
「ある程度決めて、監督に提案してはどうか?」
と提案した。
「そうですね。今までもそう言った感じで意見案を提出してきましたし。」
「うん、いいんじゃないかな?各組の現状も確認しておきたいし。」
「ふんっ!決まりだなっ!」
「りょーかいっ。」
「それでは、さっそく春組からお願いするね。」
紬が咲也に声をかけると
元気な返事が返ってきた。
「春組は今、地方公演を目指して練習しています。前回の本公演よりもさらに良い舞台にできるように、色々工夫を凝らしてます。」
万里は心配そうに
「本公演から間が開いてるし、舞台の感覚を取り戻すのに、時間がかかるんじゃないか?」と咲也に話しかけた。
「実はそうなんですよね……。ストリートACTは練習に多く取り入れてるんですけど……。」
「アドリブの即興劇だと、またちょっと違うよね?」
「はい…。それに最近、至さんが忙しいみたいで……。」
「唯一普通の会社員だし、仕事が大変なのかな?」
紬が心配そうに言うと、万里は笑い、心は少し申し訳なさそうな顔をした。
「あぁー…、大型アップデート来たからなぁ。」
「やっぱりそうだよねぇ……。」
「ん?アップデート??」
「ハマってるゲームの拡張版。レベル上げで、連日連夜ログインしてるし?…そりゃあ時間ねぇよ。」
「ゲームで忙しいって事か!?」
「そーゆー事ぉ!」
「もぉー……、咲也さん、本当にごめんなさいっ!私からちゃんと言い聞かせますから……っ!」
「あはは…大丈夫だよ。至さん、やる時はやる人ですから!」
「変に器用だからなぁ…お兄は……。」
「他にも、真澄くんは、監督が他の組の稽古をしてる時のやる気が低くて……。」
「あぁー……。」
「目に浮かぶね。真澄くんは監督命だから。」
天馬も紬も納得の顔をしていた。
「春組は追い詰められたときに爆発的に伸びるんですけど……普段の積み重ねが苦手かもしれません。」
「確かに、毎回のリーダーレポートも、本番が近くなるにつれて内容が濃くなっていきますもんね……。」
「そうなんだよね……あはは……。俺がもっとリーダーシップを発揮できればいいんですが……。」
「んまぁ、どこの組も似たようなもんだろ?」
万里は、少し共感しながら頷いた。
「夏組も問題はある。幸は他の組の衣装に係りっきりで、普段の稽古が犠牲になることがあるし。」
「うちの衣装係は意識高いからなぁ…。最近は秋組の太一も借り出されるし?」
「私もよく行くけど、本当にハイクオリティだよねぇ。」
「それに一成は、web担当としてサイトのリニューアルで忙しい。」
「夏組は、裏方と兼業してる子が多いから、どうしてもそういう問題が出てくるよね。」
咲也は
「秋組はそういうことはないですか?」
と万里に聞いた。
「まぁ、基本稽古には熱心かな?ただ、喧嘩が多い…っ!」
「流石、MANKAIカンパニーきっての武闘派組だね。」
「兵頭がうっぜーんだよなぁ……。全く……稽古進まねぇんだよ……。」
「あれはいつも万里さんから吹っ掛けてるんでしょ?…まったく……。」
「んだよ、心は兵頭の肩持つのかよ!」
「そーゆーわけじゃないけど!……まったく……。」
「万里さんと十座さんの関係はオーディションの時から変わってないなぁー……。」
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