「ここが例のキャバクラか〜…」
僕は
「すみません!」
「はい!お待たせ致しました、おひとり様ですか?」
「いや、僕は客じゃないんだ。横浜九十九課って事務所で探偵をやってる、
「は、はあ…、探偵?」
ボーイは、なんだ客じゃないのか、とあからさまにがっかりした様子で返してくる。失礼な奴。
「4月20日に川村
「生憎ですが、お客様については個人情報になりますので、お答えしかねます」
「どんな話をしてたか、とかだけで良いんだ。何か教えてよ〜」
「そう言われましても、困ります…」
押し問答を繰り広げていると、中からもう一人男性が出てきた。
「おい、
「あ、店長!こちらの探偵さんが、お客様の情報を教えろってしつこくて…」
へえ〜、この人が店長か…。末端のボーイよりもこっちの方が早く話が進みそうだ。
僕は店長に簡単な経緯を伝えた。すると、店長はしばらく考えた後、話し始めた。
「川村隼人様ですか…、ええ、確かに当店にいらっしゃいましたよ」
「お!まじ?」
さすが店長、話が早い!と喜んだのも束の間、続けて店長はこう言った。
「ですが、どんな話をしていたかとなると、やはり個人情報になりますので部外者の方にはお教えできません」
「ええ〜?!」
「ただ…実は明日、当店の周年記念イベントがあるんですが、急に女の子が一人来れなくなってしまって、人手が足りないんです。一緒に働く女の子にでしたら…私もついうっかり、口を滑らせてしまうかも…?」
要するに、情報が欲しかったらキャバ嬢になれる女の子を一人紹介しろってことか…。
「…女の子を紹介したら、本当にしゃべってくれるんだよね?」
「いやいや!私は”口を滑らす”だけですよ」
僕は仕方なくその条件を呑むことになり、キャバ嬢の雇用条件について聞く羽目になった。
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「…という訳なんだ」
杉浦くんは話し終えると、じっとこちらを見てくる。え、何コレ。
「あの…まさかなんだけど、私、キャバクラに紹介されようとしてる…?」
「そのまさか、ですぞ」
「はあ!?」と思わず声が出た。
「いや、なんで私!?確かに便利屋だけど!キャバ嬢なんてやったことないよ!?」
「売上を上げろってことじゃないんだ!お触り禁止の店だし、忙しいなら今日だけの契約で構わないって話にもなったし!…あと、ドレスアップした名前さんも見たいし…、だからお願い!!」
途中小声だったので聞き取れない部分があったが、如何せん急すぎる話だ。あと、杉浦くんが妙に必死すぎる。私が答えあぐねていると、八神さんはやっぱりか、というような反応で話し始めた。
「だから言ったろ、杉浦?最近知り合った女の子にいきなりこんな提案無理だって…」
「そんなこと言ったって〜!そもそも、今回は星野くんのサポートがあるから、さおりさんの協力は仰げないっていったの八神さんじゃん!」
「実際そうなんだからしょうがないだろ?」
八神さんと杉浦くんの間で、ちょっとした口論が始まってしまった。